2025.12.6岡田克也衆議院議員来県「りっけん栃木3区タウンミーティング」
岡田克也衆議院議員、那須塩原で政権交代の必要性熱弁 「存立危機事態」の拡大解釈に警鐘
立憲民主党の岡田克也元幹事長(党総合選対本部長代理)は12月6日、那須塩原市内で開催した栃木県第3区総支部主催のタウンミーティングに出席した。次期衆議院議員選挙に向け、いが央3区総支部長への支援を訴えるとともに、緊迫する国際情勢下での安全保障法制の運用や、インフレ下での経済対策について、現在の政府与党の姿勢を厳しく批判した。
主催者あいさつでトレードマークの黄色のジャンパー姿で登壇した、いが央3区総支部長は、冒頭、自身の政治的背景について言及。兵庫県豊岡市の市議を24年間務めた経験に触れ、「なぜ栃木3区なのか」という問いに対し、「県都から離れた地理的条件、過疎や高齢化、第一次産業が盛んである点など、故郷と県北地域は課題が酷似している。自治体議員としての経験をこの地で活かしたい」と説明した。
いが総支部長は、現在の自民党政治を「企業やサービスを提供する側の『供給側の論理』で動いている」と指摘。「株価重視ではなく、消費者や生活者の論理が最初にくる政治へ根本から転換しなければ、この国は変わらない」と力説した。
また、活動中の衝撃的なエピソードとして、支援者から「応援していることが知れると村八分になるから来ないでほしい」と告げられた経験を披露。「リアルな社会で『村八分』という言葉が出る現状に衝撃を受けた。古い政治体質による閉塞感を打破し、社会の風通しを良くしたい」と、地域社会の変革への強い意欲を見せた。さらに、那須御用邸という「ロイヤルブランド」や豊富な水資源など、県北のポテンシャルが首長間の連携不足等で活かしきれていない現状を嘆き、地域連携による活性化を訴えた。
続いて講演に立った岡田克也衆議院議員は、先の予算委員会で高市早苗氏と交わした「台湾有事」を巡る論戦に時間を割いた。岡田氏は、安倍政権下で成立した安保法制における「存立危機事態」は、日本が攻撃を受けた場合と同等の深刻な事態に限定して武力行使を認めるものであると解説。しかし、高市氏らが「台湾有事は即ち日本の有事」とし、武力行使の可能性が高いと発言していることに対し、「法律の要件を無視し、台湾有事と自衛隊の出動を直結させる議論はあまりに乱暴だ」と強く反論した。
さらに岡田氏は、米国ですら台湾防衛について明確な態度を示さない「戦略的曖昧さ」を維持していると指摘。「米国が曖昧にしているのに、日本が軽々しく踏み込むのは理解不能だ」と述べた。また、米シンクタンクのシミュレーションで自衛隊員に7千人規模の死傷者が出るとの試算があることに触れ、「ウクライナ支援でも各国は軍隊を送らない一線を守っている。自衛隊を出せば日本自体が攻撃対象になる現実を直視すべきだ」と、戦争回避への外交努力の欠如を嘆いた。
経済政策では、政府が検討する補正予算案を「デフレ時代の『アベノミクス』の焼き直し」と断じた。岡田氏は「デフレからインフレに局面が変わった今、11兆円もの赤字国債を発行する財政出動は、インフレを助長するアクセルになりかねない」と警告。円安と輸入物価高騰を招くリスクを指摘した上で、対案としてガソリン税の暫定税率廃止や食料品の消費税ゼロなど、生活者を直接支える即効性のある策を講じるべきだと主張した。
農業問題にも言及し、石破内閣での「増産」方針が新大臣就任直後に「増産せず」へ転換されたことを「猫の目行政そのもの」と批判。その上で、米価高騰の裏にある在庫過多のリスクや、高齢化による生産基盤の弱体化を指摘し、「大規模化一辺倒では中山間地や兼業農家は守れない。戸別所得補償制度の復活など、多様な担い手が踏ん張れる環境作りが不可欠だ」と訴えた。
次期総選挙については「来春の解散の可能性が高い」との見方を示し、野党連携のあり方にも触れた。岡田氏は、一部野党が自民党と連立を組むような動きを見せていることを「有権者への裏切りだ」と痛烈に批判。「自民党に代わる選択肢は立憲民主党しかない。小選挙区で25議席ひっくり返せば政権交代は可能だ」と具体的な数字を挙げて鼓舞し、保守分裂の可能性がある栃木3区でのいが央総支部長の勝利がその鍵を握ると強調した。
集会後半に行われた質疑応答では、市民から切実な声が相次いだ。
地元の男性参加者が、高市内閣のタカ派的な姿勢や米国の動向、中国との衝突リスクについて懸念を示すと、岡田氏は「日本が攻撃されれば武力を行使するのは当然だが、米国が曖昧にしている中で日本が必要以上に踏み込むのは理解不能だ」と応じ、事実上の発言撤回に近い状況を作り出すことが野党の役割だと説いた。
また、農業従事者の男性からは、農水相の交代による米の増産方針のブレや、生産者・消費者が共に納得できる政策について質問が飛んだ。岡田氏は、新大臣による方針転換を「猫の目行政そのもの」と批判した上で、「大規模化一辺倒では中山間地や兼業農家は守れない。戸別所得補償制度を復活させ、多様な担い手が踏ん張れる環境が必要だ」と回答。いが総支部長も「家族経営を守る体制を作る」と同調した。
さらに、特別支援教育の現場改善を訴える女性参加者に対し、岡田氏は「伊賀さんを国会へ送っていただければ、その声を即座に予算委員会で届けることができる」と力強く応じた。
この集会には立憲民主党所属の伊賀純大田原市議や戸張靖久那須塩原市議をはじめ友好議員の掛下法示矢板市議も参加。最後は参加者全員で「団結ガンバロー」を三唱し、次期衆院選勝利に向けた体制強化を確認し、結束を誓い合った。













