2025.11.8野田代表来県 農家視察および「立憲とちぎ1区集会」開催
野田佳彦立憲民主党代表が11月8日、宇都宮市を訪れ、米農家の視察と1区総支部の対話集会「立憲とちぎ1区集会」に参加しました。
今回の訪問は「ここからはじまる―聞く・つなぐ・変える―」全国キャンペーンの一環として行われ、初回の山形県への訪問に続き、2番目の開催となりました。
■米農家視察
今回視察した宇都宮市内の米農家は、代々続く30町歩の農家で、経営は家族で行っています。プロスポーツ選手の第2の人生として農業に従事してもらう活動も行っており、農地を案内してもらった後には、幅広い世代の農業者を集めた座談会が行われました。
座談会には、若手からベテランまでさまざまな世代の農業者10人が参加し、それぞれの経験をもとに多様な意見が寄せられました。

自動車整備の仕事を15年務めてから父親の農業を継いで就農した農業者からは、「『米の値段が高い』との報道があるが、お茶碗1杯換算なら50~60円程度で優秀な(コスパの高い)主食だと思う。最低限必要な値段は話し合いで決めて、安定したお米の値段をつけてもらえる政治をしてほしい」との米価格の乱高下を憂う意見が出されました。
サラリーマンとの兼業で農業をはじめ、6年前から専業となった農業者からは、「専業農家とご縁があって農業を始めたが、新規就農とみなされず、国の補助金等が使えなかった。従来からの米麦農家に対する補助金は何もないに等しい。設備投資だけでも支援が欲しい」と、国の支援に偏りが生じている現状への意見が出ました。
野田代表は、「米の価格は市場で決めなければならないが、生産者側が事業を継続していけるかというのも大事。食糧確保・農地維持支払制度を実現し、農家の所得補償をしていきたい」「親元就農も含めて新しく農業を始める人を支援する制度をやっていきたい。今までの支援予算が少なすぎた。米の場合は特に設備投資含めて大変だと聞くので、補助金の支給期間を延ばしたり、家族と一緒に農業をやろうという人には補助を加算したりというようなことをやりたい」と、それぞれ回答しました。
さらに、他の参加者からは農道に関して「朝、通勤ラッシュがあると農家としては農道を使いにくい。大きなトラクターでゆっくり移動していると、農道が狭い中、一般の車が追い抜いていこうとするので危ない。もっと農業がやりやすい環境整備をしてほしい」との意見が出ました。
また、小松菜農家からは「野菜は新しい農薬の開発が少ない。野菜に使える登録農薬が3年間で2つ生産中止になった。米用の農薬であれば採算がとれるので農薬会社も開発するが、野菜は採算がとれないため、性能の良い農薬が新規で開発されない」との現状の報告がありました。
これらの意見に対して野田代表は、「初めて聞く話だ。農道の在り方や、野菜の農薬開発に関する問題は宿題として引き取りたい」と話しました。
■対話集会
米農家視察の後には、同じく宇都宮市内で市民との対話集会「立憲とちぎ1区集会」を行いました。
冒頭あいさつに立った小池篤史1区総支部長は、「県議会議員を7年経験する中、現場主義に徹底的にこだわって活動してきた。物価高、医療、介護、福祉の現場はみんな疲弊している。そういた声をしっかり国に届けたい」と国政への意気込みを語りました。
また、「現場で聞いた声を党の政策立案や議会活動へとつなげていく、そして政治、政策、社会のあり方を変える」と「ここからはじまる」全国キャンペーンの説明とともに、自身の今後の政治活動への意欲を伝えました。
野田佳彦代表は小池総支部長からマイクを受け取ると、「政治の原点というのは、現地・現場に行って、その現場で働いている人、暮らしている人の声を聞いて、そしてそれを地方議会、国会につなぎ制度改正して、予算をつけて、そして実現をするということだ」と、キャンペーンの実施と対話集会の意義について話しました。
障害福祉の現場で働いているという方からは、「物価高でものが売れなくなっており、利用者の方たちと作った野菜の売り上げも上がらない。利用者さんに支払う給与も下がりつつある。声を上げられない人たちのためにも、物価高対策を具体的にどう進めていくのか聞きたい」との質問がありました。

野田代表は、「物価高騰で障害を持っている方の施設の現場もご苦労されている。特に食料が上がってきている分、子供食堂や学校給食、病院食も大変だ。食料品の消費税を0%にする対策もあるし、軽油引取税の引き下げで物流コストも下げていきたい」と回答しました。
また高校生の参加者からは、「校舎にスロープがなかったり、校則がきびしかったり、学校教育の場における多様性やマイノリティの尊重について、立憲はどのような政策を行ってくれるのか」との質問が出ました。
野田代表は「多様性というのはわが党の基本精神だ。教育の現場では(テストの)平均点を伸ばすだけでなく、個性を伸ばすやり方もある。多様性を尊重し合う社会を学校の現場でも作っていきたい」としつつ、「具体的な話があれば教えてください。宇都宮市議会や栃木県議会、あるいは国政につないでいきたい」と話し、意見を政治に「つなぐ」姿勢を強く打ち出しました。










